DESIGN

アウトプットで圧倒できないのであれば”デザイナー”と世間には名乗れない

グラフィックデザイン、ソーシャルデザイン、組織デザイン、デザインマネジメント、デザインデザインデザインデザ…….etc。

デザインというワードを広く見る現代では、デザイナーがたくさんいる。

最近の議論の中心は、美しいものを作るデザインではなく、もっと上層部の概念を考えるためのデザインについてだ。

日本デザインの巨匠の本(原研哉や深沢直人etc)を読んでもデザインの1番難しく重要な部分は見た目ではなく、それに至るまでの考えや着想、またその組み立て方について語っている。

それもそのはず、見た目は氷山の一角でしかなく、それに至るまでの思考の道のりが素晴らしい見た目として出現し機能するのである。これは私も同意だ。

ただ最近こんなことがあった。

とあるサービスを経由して「話を聞いてみたい」というメッセージを受け取った。採用に関する話で1度弊社に来ませんか。と、いうやつだ。

少なくとも今スグには転職するつもりは全くなかったが、その会社の最近の変化には興味があったので「話だけしてみようか」と思って誘いにのった。何事も情報収集だと。

面談当日、その会社に行き、受付にアポイントがあることを伝え待っていると、お決まりのように人事らしき人がやってきて部屋まで通された。で、その人事の方と話をすることになった。

転職する気はないとはいえ、ポートフォリオぐらいないと相手もつまらないだろうと、話をしながら自分の制作物について話をした。自分にとって、これがかなりの経験になった。

ポートフォリオに載っている成果物を見て、明らかに相手の興味がなくなったのが見て取れたのだ。

その瞬間から「これは次の誘いは無いな」と自分でも思った。ものすごい勢いで場の空気が変わるのを感じたのだ。

相手はデザインを深く学んだことはきっとないだろうビジネスマンだ。

見た目がすべてだ。それに至までの考えるプロセスの大切さを知ってはいるだろうが、とはいえ、見たときの印象に引っ張られるはずだ。制作物について多面的に善し悪しを見る力はデザイナーほど無い。

世の中でデザインが重要だと口を揃えていろんな人が発言するが、私たちが接する大半の人はデザイナーではない。そのため、制作物に対する見方は「見た目」が大半を占める。少なくともあと数10年はそうなのではないかと思う。

そんな中、見た目をおろそかにしてやれデザイン思考だ、組織デザインだなんだと、見た目のアウトプットも作り出していきたいデザイナーが言って良いものか。いや決してそんなことは無いだろう。

少なくとも独学でデザインに手を出し、その道で上へ登りつめたい自分にとっては、アウトプット1つで他者を圧倒できないようではいけない。

そんなことを思った。

SHARE THIS

TAKUMI KAI

タクミ カイ

90年生まれ。九州宮崎出身のデザイナー。
良い感情を作るために体験をデザインします。

OTHER POSTS